第1次安倍政権が自由競争と効率化を求める新自由主義に基づき、全国学力テストを復活させて以降、全国で順位競争が激化しました。過去問の実施など、事前のテスト対策が横行する中で、文科省さえも「調査により測定できるのは学力の特定の一部分である」「序列化や過度な競争が生じないように」と注意を促すようになりました。しかし、県教委は競争にのめり込み、全国学テの順位を上げることに執着しています。
こうした順位競争が、学校教育を歪めています。学力テストの順位を上げるためではなく、子どもたちの人格形成をめざす教育を求めていきましょう。

全国学テの悉皆実施中止を求めるオンライン署名にご協力ください
全国学力テストは、都道府県別の結果が公表されることで学校を点数競争にまき込んでいます。新学期の大切な時期に、本来の授業ではなくテストの過去問をさせる例もあり、教育現場に混乱が生じています。
文科省が、子どもたちの学力の状況を知り、教育施策に活かしたいというのであれば、全員参加ではなく、抽出調査で十分です。
和教組が加盟する全日本教職員組合(全教)は、多くの教職員、保護者、国民のみなさんとともに全国学力テストを悉皆ではなく抽出で行うよう求め署名を行っています。たくさんの方のご協力をお願いします。(2026.3)
署名はこちらからお願いします。https://c.org/Bs4JXMQSnB
教育現場に混乱をもたらしている全国学力テスト
2024年に全国知事会が行ったアンケートで、約三割の知事が「全国の結果のみ公表すべき」と回答しました。知事からは「全国との平均正答率との差や順位のみが独り歩きしており、教育現場の混乱を助長しかねない状況である」という意見も出ていました。これを受けて文科省は結果の公表方法を検討しましたが、結局全国の平均正答率等を7月、都道府県別の結果公表を8月以降と二段階にしただけで、都道府県別結果の公表は継続しました。
マスコミが結果をランキング形式で報道するために点数競争が過熱化し、テスト前には本来の授業を行わず過去問をさせなければならないなど、まさに「教育現場の混乱」が生じています。
和歌山県では、2014年度に小学校国語Aが全国最下位となったことをきっかけに、県教委は指導訪問の実施や、「問題に慣らすことが大事」などとして評価問題等の強制を行うようになりました。
何のための学力テストなのか
2007年に全国学テを復活させた当時の首相であった安倍晋三氏は、テストを実施し、「結果が悪い学校には支援措置を講じ、それでも改善がみられない場合は、教員の入れ替えなどを強制的におこなえるようにすべき」と述べましたが、文科省の実施要項にはそのような目的は書かれていません。
文科省は目的のひとつに、「教育施策の成果と課題を検証」することをあげています。1950~60年代に行われた学テについて、行政による教育への介入ではないかとして争われた「旭川学テ訴訟」で、最高裁はこのテストを「行政調査」だとし、文部省(当時)が結果を教育施策に反映させる目的で行うことについては、合法だと判断しました。
全国学テの目的には「児童生徒への学習指導の充実や学習状況の改善等に役立てる」こともあげられています。「旭川学テ訴訟」のときにも同様の目的が挙げられていましたが、最高裁は、生徒の学力を把握し学習指導に生かすのは、学校や教師の役割であるとし、この目的は「副次的なもの」であり、「教師に強制するものではないから」違法とはいえないとしました。言い換えれば、「児童生徒への学習指導の充実」等のみを目的として行政がテストを行う場合は、行政による違法な教育への介入ということになります。
判決をふまえれば、全国学力テストは結果を施策にいかす「行政調査」であり、そうであるならば悉皆で実施する必要はなく、抽出調査で十分なのです。
CBT化による負担増やトラブルも
文科省は2025年度、中学校理科のテストに、子どもがタブレットで回答するCBTシステムを導入しました。文科省はCBT化の意義を「多様な方法での出題・解答が可能となる」や「印刷、配送、回収に要する経費や環境負荷等を削減できる」などとしています。しかし、全国で四五校がトラブルで実施できなかったことが報告されており、全国都道府県教育委員会連合会からも、拙速なCBT化への懸念が表明されています。
2026年度は、中学校の英語の「聞く・読む・書くこと」及び「話すこと」がCBTで実施されます。学校のネットワークへの負荷を考慮し、一定の期間を設けて実施されますが、中でも「話すこと」は、全国値の算出の対象となる「当日実施校」(500校抽出)と、それ以外の「期間内実施校」に分けて行われ、「期間内実施校」の実施期間はさらに広くとられています。
学校には、すでに二月から「事前検証」や「事前接続テスト」が求められています。25年度に行った和教組のアンケートに「理科と質問調査のCBTに向けての確認(タブレットの準備やネットワークの確認など)が大変。紙ならば前日、当日の確認で済むのに」と、年度末、年度初めの忙しい時期に負担になっている様子が示されました。
文科省は、2027年度には小学校も含めたすべての教科をCBT化するとしていますが、学校の負担軽減の観点からも抽出調査に変更すべきです。
県総合計画から学テ目標が削除
2017年4月から25年12月までの県の施策をまとめた「長期総合計画」では、小学6年生、中学3年生ともに全国学力テストの順位を「全ての教科で10位以内」という目標を掲げていました。和教組は「順位競争を激化させるもので、子どもたちのためにならないものだ」と批判してきました。
この度、2026年度~30年度までの「県総合計画」が新たに策定されました。今回の計画では「学習者主体の学びの実現に向けた環境整備」などを掲げ、いわゆる数値目標の項目も含め全国学力テストの順位に関する記述はなくなりました。
このことは、豊かな教育を求める和教組を含めた県民の運動によるものです。県教委に対しては、数値目標から外しただけでなく、一人ひとりの子どもが楽しく学べる教育への抜本的な転換をはかることを引き続き要求していく必要があります。
学力テストについてご意見をお聞かせください
4月17日、今年も全国学力テストが行われます。全国知事会が結果公表のあり方について意見を出し、文科省が見直しを検討したり、県教委が今年度から中学校の学力テストを中止したりするなど、新たな動きが起こっています。
和教組では、テスト当日やその前後の子どもたちの様子、みなさんのご意見などを集約し、今後の運動に生かしたいと考えています。ぜひご協力をお願いします。 (2025.4)
和歌山県学習到達度調査におけるアンケートについて (2024)
英検、中3生県学テ2回目の実施を明言せず! 2023年度研修問題等交渉
2024年2月8日に県教委と研修問題や県学力テスト、英検の問題について交渉しました。中3生全員への英検の強制受験については、これまでも「希望者のみとせよ」と要求してきましたが、県教委は例年と違って「予算要求中」と言葉を濁し、実施を明言しませんでした。
県学力テストは全国学力テストと重複し、負担軽減の観点から中止する県もあり、和歌山でも中止を求めています。特に12月に行う中3生の2回目のテストが、他のテストと時期的に重なり、子どもたちの負担になっているため、中止を求めてきました。県教委はこれについても「実施」を明言しませんでした。
免許更新制廃止にともない導入された「新たな研修制度」についても交渉しました。(2024.2)
詳細は下記からニュースをダウンロードして下さい
“2023年度 研修問題等交渉” をダウンロード 速報(研修問題交渉24).pdf – 4 回のダウンロード – 356 KB
県教委、中学校の県学力テストの2回実施を計画
この問題について、和教組は申し入れを行いました。(2023.2)
詳しくは下からダウンロードしてください。
“県学力テスト2回実施” をダウンロード 2022.3.23速報(県学テ2回).pdf – 2 回のダウンロード – 205 KB
