変形労働時間制ってなんだ?

労働時間は労働基準法によって、一日8時間まで、週40時間までと決められています(公務員は一日7時間45分、週38時間45分)。季節によって業務に繁閑がある場合などに、一年間を平均して週40時間とすることを認めるのが、一年単位の変形労働時間制です。

法律では、期間や労働時間等の具体的な事項は組合等との協議を経て、労使協定で定めるとし、労働日数は年間280日までにすること、一日の労働時間は10時間までとすることなど、いくつかの制限があります。

文科省は「地方自治体の判断により導入することができるような制度改正を検討すべき」として、次の二つの例を示しました。

例① 長期休業期間中に年間15日の学校閉庁日を設け、学期中は毎週3日間、8時間45分勤務とする。

例② 長期休業期間中に年間20日の学校閉庁日を設け、学期中は毎週4日間、8時間45分勤務とする。

現在は一年間の変形労働時間制は、教員も含め地方公務員は適用されませんが、文科省は今年度中にも法改正につなげる考えです。

予算をかけずに超勤を減らす「まやかし」だ

現在、本来の退勤時刻が17時となっているAさんの例で考えてみましょう。

今、Aさんは平日は20時まで働いているとします。毎日3時間、週15時間の超勤です。変形労働時間制の導入で週3日間、退勤時刻が18時までとなりました。Aさんに何か変化はあるでしょうか。超勤時間は週12時間となり、確かに短縮されますが、毎日20時まで働いているという現状も、Aさんの仕事の負担も、何も変わりません。「見かけ上」の超勤時間が減るだけです。

また、多忙な中で長期休業期間も研修や会議、教材製作など業務がたくさんあるのに、15日も20日も学校を休むのは非現実的です。

「変形労働時間制の導入で教員の超勤縮減」というのは、予算をかけずに超勤を減らす「まやかし」なのです。

業務削減と教職員の増員こそが求められている!

学校の多忙は、教職員を増やさず仕事ばかりを増やしてきたことが原因です。今回の学習指導要領改訂に伴う小学校の授業時間数増に対しても、わずかな専科加配だけで乗り切ろうとしています。

学力テストやその対策のための過去問の実施や入力作業、「説明責任」を求められて増やされた様々な報告書、ここ数年で増やされた業務を上げればきりがないほどです。

OECD加盟国の中で最低の日本の教育予算を引き上げ、教職員を増員すること、押し付け業務を削減し、学校と教職員の自主性を尊重すること、多忙解消のためには、こうした改革が強く求められています。